小野寺 清
Sei Onodera 画家/挿絵画家
高円寺梅里ゆうゆう堀ノ内館「おとなの塗り絵教室」講師
日本生まれ。
絵も人間も、1万年も経てば全て塵になってしまう。そのむなしさを見つめる中で、日本に暮らすヒトの過去と未来を考えるきっかけとして作品を描く。

商業作家として
学術・専門書の理解を助ける細密画・模式図等、学問分野を問わず幅広く担当する挿絵画家。
児童書分野での制作も多く、幼児にも理解できるやさしい絵を手がけることもある。
また、編集者としても活動しており、これまでに児童書・翻訳絵本を3冊企画し、世に送り出してきた。
3冊中2冊が、全国小中学校家庭科・国語の教科書として採用される(2024年現在も掲載中)。
さらに、色彩が感情を操作する効果に強いこだわりを持ち、東京で塗り絵講師としても活動。

生い立ちと思想
生まれつき無宗教の家庭に育ちながらも、身近な存在であったアイヌ民族の死生観を学ぶ。
様々な人間の感覚に同調できることを最も重視し、より多くの人間とのかかわりを求め高校卒業と同時に上京。
都内で数年おきに引越す中、自宅に訪問してきた全ての宗教者から教えを学び、近隣住民と深く関わっていく中で、様々な世界観を身に付ける。

どんなに生きても90年足らずで死を迎える存在であるにも関わらず、ホモサピエンスは闘争し、比較し、いち動物ながら“天国”での赦しすら用意されているという歪さに悩みつつも、後にアーティストの芸術活動において自己主張の終着点となることの多い“反戦・戦争”に着目。
しかし、それらをテーマにしたの多くの先行作品も、ショッキングな残虐性や不快感を与えることに腐心するあまり、長期的な鑑賞に堪えない自己満足的な作品が多い。
その結果、作家が育たず、社会も“戦争画”分野を敬遠してきたことで、修練度が低くなっていることを強く問題視している。
また、戦国時代を含め世界中のあらゆる戦争が美化され、ファンタジー作品にも登場するなど、今日の世界でエンターテインメントとして消費されることにも憤り、「ポップにして茶化す」「ただ悲劇的に描写する」「英雄として讃える」といった態度のいずれもが戦争のごく一部を切り取ったものにすぎず、多くの犠牲者が出ること、関わった全てのものに背景があることを矮小化していると考えている。
(ライター・今川臭)

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